Labo.299

いつも「なにか」をじっけんちゅう。

“専門店”に看板を下ろさせた父の「牛すじ煮込み」レシピ

 その昔、うちから10分ほど歩いたところに「牛すじ煮込み」を看板にする居酒屋があった。その名も「牛すじ煮込みと地元銘酒の店○○○」。その居酒屋自体は、今もある。あるが、「地元銘酒の店○○○」になってしまっている。

 というか、タイトルでもう内容全部語ってらHAHAHA┐(´∀`)┌

 うちの実家は、私も含めて牛すじ煮込みにはちょっとうるさい。うるさい、というより、家長であるパパ上の好みが家族全員の好みになった感じだ。それはさておき、その店の話に戻ろう。8年くらい前の話になる。

海原パパ山降臨

 ある日、パパ上は単身でその店に行き、牛すじ煮込みを注文した。パパ上は牛すじに絶対のこだわりがある。メニューのオススメ欄に書いてあるならともかく店名にブチ上げているからには、さぞや舌を唸らせてくれるのだろう、と。

 が、出てきたのはパパ上の理想からあまりにもかけ離れたものだった。パパ上は「空気を読まない私」のパパ上。次にどう出るかはもうお分かりだろう。

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(c)雁屋哲花咲アキラ小学館

 そう、コレ的なこと、やっちゃったらしいんだ…(ノ∀`)タハー

 その話を聞いたのは随分と後のことで、当時の私はバスで7駅ほど離れた商店街沿いで一人暮らしを大満喫していた。玄関上がったら2歩分のキッチンスペースがあり、ドアを開けると8畳の部屋の中にバスとトイレが別々にある、ちょっとヘンなつくりのワンルーム。全裸で酒を呑もうがネットをやろうが誰にも怒られない素晴らしさ。あの頃の私は、女としては完全に詰んでいたが輝いていた。

 話が逸れた。あの全裸生活に戻りたい。

 そういうフリーダム主義を掲げる私を親が信用するはずもなく、私は度々ママ上の車に拉致され、実家へドナドナされた。その時いつもその店の前を通るのだが、ふと暖簾と看板が変わったことに気づいた。でも店名はそのまま。私はママ上に訊いた。

 返ってきた返事はこうだった。

 「ちょっと前にね、パパがあの店の牛すじにインネンつけて“こんなの牛すじ煮込みじゃない”みたいなことを言って結局出禁になったんだけど、代わりに暖簾と看板下ろさせたみたいだよ。帰ったら訊いてみ」

 開いた口がふさがらないとはまさにこのことだ(゚д゚)

 急に失踪したと思ったら外国から絵葉書が届いたり、一人暮らしの冷蔵庫に消費期限が2日後に迫った卵10×2パックを押し込んだり、事後承諾でマンション買っちゃったり、などママ上のエキセントリックさは嫌になるほど知っているが、まさか地味普通の人だと思っていたパパ上にまでそういう面があるとは知らなかった。

食戟のパーパ降臨

 早速実家に帰って訊いてみた、何であの店を出禁になったのか。

 「次の日牛すじ煮込み持って行って常連客に食べ比べさせて勝った

 開いた口がふさがらないとは以下略(゚д゚)

 何やってんの、何やってくれちゃってんの。パパ上だけは一般常識やマナーの上で生きているノーマル地球人だと思っていたのに、もう完璧にママ上と同じ箱の人じゃん。その掛け合わせで産まれた私、サラブレッドじゃん(もちろんイヤな意味で)

 「俺が勝ったら看板を下ろす、負けたら迷惑料50万円払う、だから勝った」

 何その食戟(=しょくげき ※ジャンプ読者にはわかるエロ料理マンガ&アニメ)。看板下ろさせて、一体誰に得があるというのですか、おせーて、おとーたま。

 「だって、あんな店が牛すじ煮込みを看板にしてるなんて片腹痛くてつい」

 と、(。・ ω<)ゞてへぺろするパパ上。そんな戦闘民族の血、どこから拾ってきたんだパパ上。どうしよう、うちにまともな人がいないよーどこに出しても恥ずかしいメンツばかりだよー(´Д⊂ この時から私は、この血は私の代で絶やさなければと心に誓った。

 その夜、私はその店へ一人で行ってみた。4人用の小上がりが3つ、カウンター8席の小さい店。おやじさんの顔を伺ってみる。なるほど頑固そうだ。問題の「牛すじ煮込み」(500円)を注文した。納得した。私の中から山○士郎が出そうになった。

 煮込みが足りない、臭み取りが甘い、何よりしょっぱ過ぎる。ハキハキと働くおかみさんと対照的に、常連客べったりで客の顔色を伺うこともしないやる気の無さがこの一品からにじみ出るようだ。パパ上は正しい。でも、看板下ろされてやる気がなくなったのだとしたら…パパ上、看板はちょっとやり過ぎだよ、ふえぇ…(´Д⊂

キユーピー8時間クッキング\テッテケテケテケチャンチャンチャン♪/

 というわけで、パパ上の話が長くなったがここでレシピでござる。パパ上は料理が巧い、ただ、本格的すぎる、典型的な「趣味の料理」なんだよね。うどんとか粉から打つもんね。なので、パパ上のそういうところを省いて(材料の産地とか)やってみる。

【材料・3日分くらい】←アバウト過ぎるwww

  • 牛すじ(パパ上と違って産地不問)⇒スーパーの小パック6つ分
  • 板こんにゃく⇒白いのと黒いのを一枚ずつ
  • 玉ねぎ⇒小玉なら4個、中玉なら3個
  • ネギの青いところ⇒3本分
  • 他、長ネギ、しょうが、酒、みりん、砂糖、しょうゆ、そばつゆ適宜

 まず牛すじを一口大よりやや大きめに切り、牛脂(スーパーで牛肉買えばタダで貰える)3個で熱した鍋にブチ込んで炒める。下茹で? めんどくさいです((キリッ

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 なんかこのヘラがあれば何でも美味しくできるような気がする(完全に気のせいです)

 気が済むまで炒めたらネギの青いところとしょうがを半月切り&厚切りにしたものを8枚くらい、あと水でひたすら煮る。時々アクを取りながら煮る。

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 水が2/3くらいに減るまで煮込んだら、ネギを取り除き少し水を足し、みじん切りにした玉ねぎを投下して再度煮込む。あらみじんでも千切りでもいい。この玉ねぎが影も形もなくなるまで煮込むから(だいたい4~5時間くらい)

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 oh、ワタシ、ミジンギリ、デキナイネ!

 玉ねぎが目に見えないくらい煮込んだ鍋がこちら。これにこんきゃくをちぎって投入し、味付けもする。ベースはめんつゆの味。3日経つと味が染みてしょっぱくなることを考慮して控えめに調整するべし、テキトーに。
 
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 汁が鍋の半分くらいになるまで追い煮込みして完成。好みで豆腐を添えると、多少しょっぱくできても何とかなる。うちの場合は旦那が嫌がるので長ネギのトッピングだけだ。何でだよー豆腐入れてもいいじゃんかよー(・3・)ブーブー

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 できたぉ、おかわりじゆうだぉ(´・ω・`)

 このレシピのポイントは、最初に牛すじを切って炒めて香ばしさを出すこと(そのかわり、牛すじ肉はものっそい切りにくいので途中で嫌になる)と、大量の玉ねぎを入れて甘味を出すことだ、ってパパ上が言っていた。煮物に香ばしさ…要るか?

 こんにゃく投入までが我が家のレシピなので、味付けの配分は各家庭に委ねたい。ちなみに、最後の最後になって、クズみたいな肉と煮詰まった汁だけが残ったらこうしてしまえホトトギス。ぶっちゃけ、牛すじ煮込み本体より旨いくらいだ。

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 卵で絡めてどんぶり飯の上に投下し、長ネギパラパラ( ゚Д゚)ウマー

 あまり旨そうに見えないのは、私にカメラの技術がないのと(ゲーセンでしか使わないし)、煮込み料理は煮詰めちまえばみんなあんな感じの絵ヅラにあるからなので勘弁して欲しい。

まとめ:何だかんだいって手間かかった料理は旨い

 なので、このレシピを公開して、誰かに作ってもらい、それを冷凍空輸で私のおうちに運んでいただけたら楽だなーという下心です。自分でやると、どーもね…。というわけでみんなの牛すじ煮込みをちょっとずつオラに分けてくr( ‘д‘⊂彡☆))Д´) パーン


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